性別 | 男 |
年齢 | 30代 |
病名 | クローン病 |
術式 | 腹腔鏡手術 |
手術内容 | 回腸から上行結腸の切除 |
手術日 | 2013年3月 |
- 術後の症状・痛みは個人差があるのをご理解の上、お読みください。
- 自分自身で勝手な判断はせず、必ず担当医にご相談して下さい!!
- 三年前の事を思い出しながら書いてあるため、多少の間違いがあるかも知れない事をご了承下さい。
現在の症状は安定していますが、2013年3月に悪化のピークをむかえて入院しました。
検査の結果、回腸(小腸末端)から上行結腸(大腸の最初2割程)にかけての摘出となりました。
その時の術式が腹腔鏡手術だったのです。
へその下を5cm程切り、周りを4箇所ほど小さな穴を開けて行われました。
分かりづらいと思いますが、上図の×の部分がへそです。赤い線が手術の際に切った箇所です。多少の場所の違いはあると思いますが、イメージだけでも分かって下さればと思います(^^;)
術後の腹筋の痛みを一覧にするとこんな感じです。☆の数は痛みの強さだと思ってください(^^;)
経過日数 | 平穏時 | 歩行時 | 起き上がる時 | くしゃみ等 |
---|---|---|---|---|
当日 | ☆☆☆ | 歩かず | 起き上がらず | ☆☆☆☆☆ |
翌日 | ☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ |
翌々日 | ☆ | ☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆ |
一週間後 | 無し | 無し | ☆ | ☆ |
最初に、腹腔鏡手術と開腹手術の違いを見て行きましょう。
次に、それぞれの時の詳細を、体験を元に語っていこう思います。
繰り返しますが、術後の症状・痛みは個人差があるのをご理解の上、お読みください。
目次-クリックするとスクロール移動-
腹腔鏡手術と開腹手術との違い
項目 | 腹腔鏡下手術 | 開腹手術 |
---|---|---|
難易度 | 難しい | 腹腔鏡よりは難しくない |
手術時間 | 一般に長い | 一般に短い |
麻酔 | 原則、全身麻酔 | 部分麻酔、可能 |
術後の傷跡 | 小さい | 大きい |
術後の痛み | 軽い | 強い |
癒着 | 少ない | 多い |
術後入院期間 | 最短で4~5日から | 長い |
あくまでも一般論であり、すべての病状・手術に当てはまるわけではありません。必ず、担当医にご確認して下さい!!
腹腔鏡手術も病状により、手術中に開腹手術への移行もありえます。自分も、炎症部が多岐に渡っていたら開腹手術へ移行する可能性があると言われてました。
個人の症状により異なりますので、必ず担当医にご確認して下さい!!
前日~手術当日
手術の前日から当日にかけての流れは以下の通りです。前日 | へその洗浄 |
午前8時頃 | 手術準備室に入室 |
午前9時頃 | 腹腔鏡手術開始 |
午後1時頃 | 手術終了 |
単純に洗浄液みたいなものでおへそを洗うだけなので痛みとかはありません。
手術当日は、執刀開始時間の一時間程前から手術準備室に向かいます。
手術準備室では、文字通り手術の準備のために容態の検査と麻酔をしたと思います。
麻酔は全身麻酔で行いました。
点滴の針を刺す準備をしている人(おそらく麻酔科医)がいたため、質問したのを覚えています。
自分「これ、何の点滴ですか?」
麻酔科医「麻酔の点滴ですよ。」
自分「どのぐらいで、効き始めるんですか?」
麻酔科医「麻酔を入れて、10秒もしないうちに効き始めます。」
自分「じゃあ、こうして話しているうちに眠っちゃうんですかね?」
はい、記憶があるのここまで(笑)麻酔科医「麻酔の点滴ですよ。」
自分「どのぐらいで、効き始めるんですか?」
麻酔科医「麻酔を入れて、10秒もしないうちに効き始めます。」
自分「じゃあ、こうして話しているうちに眠っちゃうんですかね?」
次に目が覚めたのは、手術室をでているところです。
移動式ベッドに横になった状態で、天井を見ながら移動していった覚えがあります。
普段から車酔いがひどい自分には、この移動が結構こたえました(TT)
病室に戻ってからは、何となく朦朧とした感じで「あ~、いてぇなぁ~」と思いながら、寝たり起きたりを繰り返してましたね。
翌日に地獄のような痛みを経験するとは知らずに・・・(笑)
手術の翌日
翌朝には、意識もしっかりします。当然のごとく、ベッドから起き上がろうとするんですがここで問題が発生。
全く起き上がれない。それどころか少しでも起き上がろうと腹筋に力を入れるととんでもない激痛が襲うのです(TT)
ベッドの電動リクライニング機能を使わないと全く起き上がれません。
さらには寝返りすら出来ません。寝返りするときは腕と足の力で体の向きを変える必要がありました。
さらに追い討ちをかけるように、看護師さんからあることを言われました。
看護師「ちょっと、廊下に出て歩いてみましょうか?(^^)」
いや、無理無理無理(TT)。腹筋がすげ~痛いっての(TT)。
翌日に歩かせる理由としては、癒着や血栓が出来るのを防ぐためとの事。また、人間の腸は腹筋等の周りの筋肉が動くことにより、蠕動(ぜんどう)運動がより活発になり内容物を進めるとの事。
そう言われたら、歩かないわけには行きません。
廊下に出て歩いてみたら・・・というより廊下に出るまでがすでに一苦労。歩く度に腹筋に激痛が走ります。
なんとか廊下にでても、一歩歩くのが非常につらい。
数メートル歩くと、さすがに看護師さんも「無理そうですか?」と言ってきました。
もちろん自分は、
手術の翌々日
手術の翌々日になると、驚くほど腹筋の痛みが引いてました。前日は、一歩歩くだけでも激痛が走っていたのが、多少の痛みを感じるものの何の問題もなく歩く事が出来ました。
前日の歩行練習はなんだったんだと思えるほどでした。
ただ、まだ問題がありました。それは腹筋の力で体を起こすことが全く出来ませんでした。
そのため、トイレにすぐに行けるようにするためにも、常にリクライニングを上げた状態にする必要がありました。
実は、手術翌日に腕の力でベッドの柵をつかんで起き上がろうとしたところ、背中を痛めました(TT)。肩甲骨を動かす筋肉です。
もし、あなたが手術を受けた際は、上記のような間抜けな失敗をせずに初めからリクライニング機能を利用して下さい(笑)
手術から一週間後~
一週間もすれば、痛みはほとんど無くなってました。無理してどこか痛めたくは無かったので、常時リクライニングにしていたとは思いますが(笑)
手術直後から傷口自体には痛みは無く、この頃にはきれいに塞がっていました。
自分は手術から二週間とちょっとで退院することができました。
これはクローン病という病気のためです。切って接合した箇所が、再び炎症を起こしてしまわないかを経過観察する必要があったのです。
病気の種類と症状次第で、早ければ五日程で退院出来るのが腹腔鏡手術のすごい所です。
おわりに
少し前に、大学病院で腹腔鏡手術のミスで多数の患者が死亡するという事件が起きました。それにより、腹腔鏡手術に悪いイメージがある人がいるかもしれません。
自分も、あの事件の後だったら疑いの目を持っていた可能性が否定できません。
しかし、肝臓の様な複雑な臓器の手術でなければ、腹腔鏡手術は必要以上に怖がる必要は無いと考えています。
もちろん、医師の方々の日頃の研鑽は必要です。それと同時に患者側も少しは知る努力があっても良いかと思います。
その際に、この体験記が少しでも役に立てればと思い記事にしてみました。
くどいようですが、自分自身で勝手な判断はせず、必ず担当医にご相談して下さい!!